ドラクエ11徹底考察シリーズ第三弾。
本記事はドラゴンクエストⅪに関する重大なネタバレを含みます。
未プレイ、未クリアの人はブラウザバック推奨。
気になる人はプレイしてから戻って来てね。
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ドラクエⅪをプレイして気になったのは主に次の5つ。
- ロトシリーズとのつながり
- 時渡りとは
- 勇者のつるぎのその後
- EDに出てきた2冊の本
- 天空シリーズとのつながり
ロトゼタシアの希望の象徴と言われる勇者のつるぎ。
ドラクエⅪには実にたくさんの「勇者のつるぎ」が出てきましたね。
これらは他のドラゴンクエストの世界、特にロトシリーズとのつながりを考察する上で非常に重要な役割を持っていると思われます。
ロトシリーズとのつながりの考察において、「主人公の世界(歴史)がアレフガルドへ、ローシュの世界(歴史)がⅢの上の世界へ続き、そして一個の世界(歴史)にまとまっていく」という仮説を立てました。
この説に矛盾が生じないことを確認しながら、それぞれの「勇者のつるぎ」の行く末を考察してみたいと思います。
目次
まるで勇者のつるぎのバーゲンセール。ドラクエ11以降の行く末を考察
ドラクエⅪに登場した数多くの「勇者のつるぎ」。
このうち、後世に残る可能性があるのは次の4本です。
- 勇者のつるぎ(主人公製):新たに主人公たちが作った勇者のつるぎ
- 王者の剣:オリハルコン製の剣。恐らくⅢに出てくる王者の剣と同等
- 勇者のつるぎ・真:命の大樹に納められていたローシュの剣(魔王の剣に変わる前)
- 勇者のつるぎ(ローシュ):セニカが時渡りした先の世界に存在するローシュの剣
主人公たちが最初に作る「勇者のつるぎ」は時渡りの際に折れるため、「魔王の剣」はホメロスと対峙した際に失われるため、それぞれ除外。
その他に、「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と「2.王者の剣」を錬金することで得られる「勇者のつるぎ・改」も存在しますが、「1.勇者のつるぎ(主人公製)」との違いはパラメータだけ。
パラメータの違い程度であれば、その後の歴史を考察するうえではあまり大きな意味を持たないと思われる(ストーリー上の違いはないと思われる)ため、以降はこれらをまとめて「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と呼ぶこととします。
「2.王者の剣」は厳密には「勇者のつるぎ」ではありませんが、勇者用のつるぎではあります。
装備できるのが勇者のみであること、Ⅲの「おうじゃのけん」とステータスや効果、名称が同じであることから、今回一緒に考察してみたいと思います。
なお、「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と「2.王者の剣」はメインストーリーとは直接の関わりがないため、プレイ次第では後の世に存在しない可能性もあります。
それぞれどの世界(歴史)に存在するのか、情報を整理
まずそれぞれの大まかな行き先を整理してみます。
「主人公の世界(歴史)がアレフガルドへ、ローシュの世界(歴史)がⅢの上の世界へ続く」という仮説に基づけば、
「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と「2.王者の剣」、「3.勇者のつるぎ・真」は、後のアレフガルドに、
「4.勇者のつるぎ・真(ローシュ)」だけがドラクエⅢの上の世界に存在するはずです。
ローシュ製の勇者のつるぎの特徴とその後を考察
「3.勇者のつるぎ・真」と「4.勇者のつるぎ・真(ローシュ)」は、いずれもローシュが仲間たちと作った初代勇者のつるぎ。
これらは過去のロトシリーズにおける「ロトのつるぎ」と同じ外観を持つことから、シリーズのつながりを示す重要な手掛かりであると推測されます。
これらはその後どうなったのでしょうか。
わかっているのは、邪神討伐後に「3.勇者のつるぎ・真」が命の大樹に納められたということ。
そして、かつてローシュの仲間たちがそうしたように、「4.勇者のつるぎ・真(ローシュ)」も命の大樹に納められた可能性は高いでしょう。
預言者と会った後の回想シーンで次のようなセリフも見られますし。
- セニカ「勇者のつるぎを あるべき場所に…… 命の大樹へと おさめてまいります。」
ではその後は?
理想としては、「3.勇者のつるぎ・真」はドラクエⅠにおける「ロトのつるぎ」と同一であってほしい。
また、「4.勇者のつるぎ・真(ローシュ)」はドラクエⅢにおける「ひかりのたま」に変化したのではないかと考えたら結構面白いんじゃないかと思っています。
初代勇者のつるぎには闇の衣を打ち払う力がある
注目したいのは、初代勇者のつるぎには闇の衣を打ち払う力があるということ。
Ⅺの劇中では実際にこの力を用いて邪神ニズゼルファを打ち破ることに成功します。
ここで思い出したいのが、Ⅲの勇者が大魔王討伐のために竜の女王より授かる「ひかりのたま」の存在。
「初代勇者のつるぎ」と同様、この「ひかりのたま」にも闇の衣を打ち払う効果があります。
ところで、竜王及びその祖先(あるいは母)である竜の女王は、エンディングの描写から聖竜の末裔である可能性が高いと考えられます。
聖竜の末裔と思われる竜の女王が持っていて、かつ闇の衣を打ち払う効果があるアイテム・・・。
もはや無関係とは思えません。
先述のとおり「4.勇者のつるぎ・真(ローシュ)」はドラクエⅢにおける上の世界に存在し、かつローシュの世界でも命の大樹に納められた可能性は高いと思われます。
Ⅺの劇中では、命の大樹に納められた「勇者のつるぎ・真」が、球体上の光に包まれる描写がありましたね。
もしかすると、この球体状の光が長い年月をかけて凝縮した姿、それが「ひかりのたま」なのでは。
竜の女王が聖竜の末裔なのであれば、命の大樹(聖竜)に納められた勇者のつるぎ(ひかりのたま)を持っているのも不思議ではありません。
「ひかりのたま」の正体はこれまでずっと明かされてきませんでしたが、Ⅰでは魔物を封印してアレフガルドに平和をもたらしていたとあり、闇の衣を打ち払う以外にも超常的な力を持ったアイテムであることは間違いありません。
その正体が命の大樹(聖竜)の力を蓄えた「元祖勇者のつるぎ」なのだとしたら、その力の大きさも納得できます。
ところで、闇の衣といえば他にも印象深い大魔王様がいますよね。
「3.勇者のつるぎ・真」のその後に迫るために、お次はアレフガルドの歴史をおさらいしてみましょう。
大魔王ゾーマが砕いた王者の剣は勇者のつるぎだったのか
そう、闇の衣と言えば 異魔神 大魔王ゾーマです。
ここで思い出したいのがドラクエⅢの時代より前にもともと存在した「おうじゃのけん」(以降「旧おうじゃのけん」)が大魔王ゾーマに砕かれているという事実。
もしかすると、大魔王ゾーマは何らかの方法で邪神ニズゼルファが勇者によって滅ぼされた経緯を知っていたのではないでしょうか。
仮にそうであれば、闇の衣を打ち払うことが可能な「3.勇者のつるぎ・真」を壊そうとするのも納得できます。
ですが、大魔王ゾーマが砕いた「旧おうじゃのけん」は本当に「3.勇者のつるぎ・真」だったのでしょうか。
主人公の世界がアレフガルドにつながるのであれば、「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と「2.王者の剣」、「3.勇者のつるぎ・真」の3つの候補が考えられるはず。
このうち、「3.勇者のつるぎ・真」はエンディングの演出からそのままⅠの勇者に受け継がれていると考えるのが自然。
というわけで、「3.勇者のつるぎ・真」が「旧おうじゃのけん」である可能性は後回し。
となると残るは二つ。
もしゾーマに砕かれたのが「1.勇者のつるぎ(主人公製)」であれば、いくら大魔王ゾーマとはいえ「3.勇者のつるぎ・真」と勘違いしてしまうのも仕方がありません。
闇の衣を打ち払う力こそないものの、正真正銘の「ロトの勇者のつるぎ」ですから。
もしゾーマに砕かれたのが「2.王者の剣」だとしたら・・・
んもぅ!ゾーマったら早とちりなんだから!
とはいえ、「2.王者の剣」もオリハルコン製の立派な勇者専用装備。
実際にⅢの劇中で新たに作られる「おうじゃのけん」(以降「新おうじゃのけん」)は、その性能も製作過程も「2.王者の剣」と似ていますし、勇者にとって十分すぎるほどの戦力となることは間違いありません。
うーん、結局わからないことだらけだ。
次行ってみよう。
Ⅰにおけるロトのつるぎの正体と竜王との関係を考察
主人公の世界で最後に命の大樹に納められた「3.勇者のつるぎ・真」。
エンディングの演出を見れば、やっぱり「3.勇者のつるぎ・真」がⅠにおける「ロトのつるぎ」なのではないかと思わずにはいられません。
しかし、Ⅲのエンディングで次のようなメッセージが確認できます。
- 「そして 彼が 残していった 武器 防具は ロトのつるぎ ロトのよろい として せいなる守りは ロトのしるしとして 後の世に 伝えられたという。」
ここに出てくる武器とは、素直に考えれば「新おうじゃのけん」のことでしょう。
少なくとも、この時点では「ロトのつるぎ」とは「新おうじゃのけん」のことを表していると考えるのが自然ですね。
とはいえ、Ⅺの勇者が扱った剣だろうがⅢの勇者が扱った剣だろうが、Ⅰの勇者にとってはどちらも「ロトのつるぎ」と呼ぶにふさわしいものであったはず。
であれば、どこかで「新おうじゃのけん」と「3.勇者のつるぎ・真」が入れ替わっていても誰にもわからないし差し支えないわけです。
もちろん入れ替わっていない可能性もありますけど・・・。
ロトのつるぎはなぜ竜王の城にあったのか
ところで、Ⅰの時代になると「ロトのつるぎ」はなぜか竜王の城に存在します。
これも謎ですが、謎というのはこじつけ解釈には都合が良いんですよね(笑
Ⅲ以降の「新おうじゃのけん」の行方ですが、考えられるのは二通りだけ。
- 再びラダトーム城にて保管された
- その他(行方知れずとなった)
なお、Ⅲの勇者が竜王の城(旧ゾーマ城)に自ら置いた可能性については、ⅢのEDのメッセージ「そして 彼が 残していった 武器 防具は -略-」と矛盾するので除外。
まずは再びラダトーム城にて保管された可能性について。
Ⅰの物語の少し前、竜王はラダトーム城から「ひかりのたま」を奪います。
もし「新おうじゃのけん」がラダトーム城に保管されていた場合、一緒に竜王に奪われていても不思議ではありません。
これなら竜王の城の宝箱に入っていることも説明しやすい。
しかし、ラダトーム城から奪われていたのならなぜ誰も「ロトのつるぎも奪われた」と言わないのか、という疑問が生じます。
これについては「そもそもラダトーム城にはなかったから」と考えるのが自然。
一方、Ⅲ以降の「新おうじゃのけん」の行方がわからないのであれば、「3.勇者のつるぎ・真」と入れ替わった可能性は大いにあります。
では竜王はどこから「3.勇者のつるぎ・真」を見つけてきたのでしょうか。
ここで思い出したいのが竜王の出自。
竜王が聖竜の末裔なのであれば、竜王と勇者のつるぎは引かれ合う存在なのではないでしょうか。
Ⅺの劇中では命の大樹こそ勇者のつるぎの「本来あるべき場所」という描写があります(先のセニカやEDのベロニカのセリフなど)。
竜王が聖竜の末裔であれば、勇者のつるぎは竜王のもとこそふさわしいと言えるのでは。
さて、Ⅰで竜王を倒した勇者は「ロトのつるぎ」をどうしたのでしょう。
Ⅱではまた「ロトのつるぎ」が竜王の城に保管されていますが、わざわざ竜王の城に残したのでしょうか。
素直にローレシアで保管しておけば良いものを。
そうすれば王族なのにどうのつるぎを持たされるというみじめな思いをせずに済んだのに。
もしかするとこれも竜王の子孫と勇者のつるぎが引かれ合った結果なのでは・・・。
竜王と勇者のつるぎが引かれ合うのであれば、万が一「新おうじゃのけん」がⅢ以降ラダトーム城に保管されていたとしても、Ⅰの「ロトのつるぎ」が「3.勇者のつるぎ・真」である可能性も残りそうな気がします。
勇者のつるぎに関する最後のなぞ
もう一つ残る謎が、「新おうじゃのけん」と「3.勇者のつるぎ・真」のうち、Ⅰにおける「ロトのつるぎ」ではない残る1本はどこへ消えたのかということ。
先述の通り、Ⅰの時点では「3.勇者のつるぎ・真」と「新おうじゃのけん」の最低2本の「ロトのつるぎ」が存在する可能性があります。
更に言えば、大魔王ゾーマが砕いた「旧おうじゃのけん」が「1.勇者のつるぎ(主人公製)」だった場合は「2.王者の剣」が、
逆に砕かれたのが「2.王者の剣」だった場合は「1.勇者のつるぎ(主人公製)」が、それぞれ行方不明です。
ええい、いっそメインストーリに関係のない「1.勇者のつるぎ(主人公製)」と「2.王者の剣」はなかったことにしてやろうか!
あれ、そうなると大魔王ゾーマに砕かれたのは「3.勇者のつるぎ・真」・・・?
となると、Ⅰにおける「ロトのつるぎ」はやっぱり「新おうじゃのけん」だったということに・・・。
あのエンディングの演出は何だったのー。あれー。
まとめ│もしかすると主人公製の勇者のつるぎ、なかったことにされてね?
結構話がちらかっちゃったので、最後にまとめてみます。
願望としてはこんな感じ↓
- 勇者のつるぎ(主人公製):「旧おうじゃのけん」としてゾーマに砕かれる
- 王者の剣:(錬金に使われて)後世に残っていない
- 勇者のつるぎ・真:Ⅰの「ロトのつるぎ」
- 勇者のつるぎ・真(ローシュ):「ひかりのたま」に変化
ただ、これだと「新おうじゃのけん」はどこに消えたんだってことになるんですよね。
可能性としてはこちらの方が高そう↓
- 勇者のつるぎ(主人公製):後世に残っていない
- 王者の剣:後世に残っていない
- 勇者のつるぎ・真:「旧おうじゃのけん」としてゾーマに砕かれる
- 勇者のつるぎ・真(ローシュ):「ひかりのたま」に変化
勇者のつるぎ・真がゾーマに砕かれる歴史。
あのエンディングの演出はなんだったんだって気持ちが強くなりますが、「3.勇者のつるぎ・真」(旧おうじゃのけん)も「新おうじゃのけん」も同じ見た目だと考えればそれもアリなのかなぁ。
主人公たちがトンテンカンカンやってただけで「……これで 完成なのか?」みたいな感じでいつの間にか柄や装飾まで形作られていましたし、「新おうじゃのけん」が自然と同じ形になる可能性もありそう(新おうじゃのけんは鍛冶場も製作者も特別感がありませんが)。
うーん、結局面白味のない結論に至ってしまいました。
メインストーリーに直接影響しない主人公製の勇者のつるぎと王者の剣はなかったことにされ、ローシュ製の勇者のつるぎだけが後の世で大活躍!
まぁいいけどね!
次回はエンディングに登場する赤と緑の2冊の本について考察してみます。
というわけで、また!